こんにちは、気象予報士のえいたつです!

雲は上空の気温や湿度、空気の流れなどによりいろんな形に変化します
なので自分の好きな雲や面白い形の雲に出会うチャンスは毎日あります

そう考えるだけで朝カーテンを開けるのが楽しみになりますね

今回は「雲の種類は何種類あるの?」というタイトルですが、結論を言うと「細かく分ければ100種類以上、大きく分けて10種類」です

今回は大きく分けた10種類の雲、通称「十種雲形(じゅっしゅうんけい)」と雲の成因についてお話ししていきたいと思います

雲は高度により分類される

飛行機から見る雲

十種雲形の発端と始まり

雲の第一人者でイギリスの気象学者ルカ・ハワードが3つの基本形を定め、7種程度に分類しました

雲を科学的に研究するためには雲の形を国際的に統一して分類おくことが望まれる。そこで1894年スウェーデンのウプスラで開かれた国際気象会議で国際雲級図を作ることが決まり、10種の雲の形の分類が決まった

出典:気象なんでも百科
著者:高橋浩一郎

その後、1896年国際気象機関(WMO)から雲を分類した『国際雲図帳』が出版されました

十種雲形の分類

十種雲形の雲は雲底(見上げた時の雲の底)の高さによって下層雲、中層雲、上層雲の3つに分類されます

高度による分類雲の名前
上層雲(5〜13km)巻雲、巻層雲、巻積雲
中層雲(2〜7km)高積雲、高層雲、乱層雲
下層雲(2km以下)層雲、層積雲、積雲、積乱雲

そして雲の形がモクモクした雲と平らな雲の2種類に分けられます

モクモクした雲は対流性であり上昇流は数m/s〜数十m/sと強い
(積雲と積乱雲のみの2種)

平たい雲は層状性であり上昇流は数cm/s〜数十cm/sと弱い
(積雲と積乱雲以外の8種)

高さの3種類、形の2種類、そして雨の有無の2種類の組み合わせで10種類に分けられています

漢字の意味
  • 積・・・モクモクした雲
  • 層・・・平でボヤッとした雲
  • 乱・・・雨を降らす代表的な雲
  • 巻・・・上層雲の雲
  • 高・・・高いという字だが中層雲

それぞれの雲の特徴

雲は大気の状態(気温、風、湿度、降水、雷など)を表現しているため雲を通じて大気の状態を知ることができます

もっと大袈裟に言えば「空と会話ができる

雪の結晶を顕微鏡で見れば多種多様な形(柱、角、板、樹枝)をしており温度と湿度で形を変えます

空の状況がわかるということは「雲という言語」がわかるということです

日本語や英語などの言語に「雲語」があると思ってみてください、文字を読むように雲を見て空の状態をイメージできるようになると日々が楽しくなると思いませんか?

ではそれぞれの雲の特徴を見てみましょう

巻雲(けんうん)

巻雲
巻雲

高い空に出現する筋状のほうきで掃いたような雲

別名:すじ雲、はね雲、しらす雲

  • 発生要因
    上層で気流が乱れた場所の上昇流域で発生
  • 出現条件
    積乱雲が発達しているとき
    上空にジェット気流があるとき
    低気圧や前線が接近しているとき
  • 他の雲から発生
    巻積雲、高積雲、積乱雲
  • 他の雲から変化
    巻層雲
  • 氷晶でできている
  • 太陽が透けて見える
  • 一部ハロができることもある

巻積雲(けんせきうん)

巻積雲
巻積雲

高い空に出現する小さい粒のような雲

別名:いわし雲、うろこ雲、さば雲

  • 発生要因
    雲の底は地表からの熱で温められ上昇、雲の上は放射冷却で冷やされ下降する。下降した部分の雲は消えるためうろこ状の雲が広がる(高積雲と同じ)
  • 出現条件
    低気圧や前線が近づいているとき
  • 他の雲から発生
    なし
  • 他の雲から変化
    巻雲、巻層雲、高積雲
  • 少し大気の状態が不安定
  • 高度の高い所で上昇と下降の気流が起きている
  • 氷晶でできている

巻層雲(けんそううん)

巻層雲とハロ

高い空に出現する薄いベール状の雲

別名:うす雲

  • 発生要因
    低気圧付近で下層から上昇してきた空気が中層から上層にかけて緩やかに上昇する。気温マイナス20℃以下であるため氷晶で構成される
  • 出現条件
    低気圧、前線、気圧の谷が接近しているとき
  • 他の雲から発生
    巻積雲、積乱雲
  • 他の雲から変化
    巻雲、巻積雲、高層雲
  • 氷晶でできているためハロやアークが見られる
  • 巻層雲が出た後の天気は下り坂になりやすい
  • 地面にははっきり影が見える

高積雲(こうせきうん)

中層にできる羊の群れのような雲
別名:ひつじ雲、むら雲、まだら雲

  • 発生要因
    雲の底は地表からの熱で温められ上昇、雲の上は放射冷却で冷やされ下降する。下降した部分の雲は消えるためうろこ状の雲が広がる(巻積雲と同じ)
  • 出現条件
    空が晴れ渡っているとき
    低気圧や前線が近づいているとき
  • 他の雲から発生
    積雲、積乱雲
  • 他の雲から変化
    巻積雲、高層雲、乱層雲、層積雲
  • ほとんど水滴でできているため雲の底は影ができる
  • 巻積雲より塊が大きい
  • ひつじ雲は秋のイメージがありますが通年見られます

高層雲(こうそううん)

高層雲
高層雲

中層にある平らに広がる雲
別名:おぼろ雲

  • 発生要因
    低気圧付近で下層から上昇してきた空気が中層から上層にかけて緩やかに上昇する(巻層雲と同じ)
  • 出現条件
    低気圧や前線が近づいているとき
  • 他の雲から発生
    高積雲、積乱雲
  • 他の雲から変化
    巻層雲、乱層雲
  • ほとんど水滴でできている。そのため太陽の光はぼんやりしている
  • 虹色はあまり出ない
  • 高層雲の下層の厚みが増すと乱層雲になる
  • 極端に分ければ「降水がなければ高層雲、あれば乱層雲」
  • 地面にはっきりした影は見えない

乱層雲(らんそううん)

乱層雲と雨柱

一般には中層にあるが下層にも広がりしとしとした雨を降らせる
別名:雨雲、雪雲

  • 発生要因
    湿った空気が弱い上昇流により持ち上げられ発生
  • 出現条件
    しとしと雨が降っているとき
    南岸低気圧が太平洋側に接近し降雪があるとき
  • 他の雲から発生
    積雲、積乱雲
  • 他の雲から変化
    高積雲、高層雲、層積雲
  • 雲は分厚くねずみ色で昼間でも暗い
  • 雲粒は水滴と氷晶で構成されている

層雲(そううん)

層雲とブロッケン現象
層雲とブロッケン現象

最も地表近くにあり平らな雲
別名:霧雲

  • 発生要因
    湿った空気が冷たい地表面に移動し冷やされて発生
    冷たい空気と混合し冷えて発生
    陸上より海上で多く発生
  • 出現条件
    雨上がりや冷え込んだ朝
    山沿いで悪天候のとき
    雨が降っているとき
  • 他の雲からの発生
    乱層雲、積雲、積乱雲
  • 他の雲からの変化
    層積雲
  • 層雲が地表に接している場合は霧になり、霧雨など降水は弱い
  • 海上で多く発生するため船舶などの視程障害に注意が必要

積雲(せきうん)

積雲

地表面付近〜2km付近にあるモクモクした雲
別名:わた雲

  • 発生要因
    地表面が温められ下層大気が不安定な時に対流活動が活発になり発生する、その上の成層状態が安定の時はこれ以上発達しない
  • 出現条件
    大気の状態が不安定なとき
    台風が接近しているとき
    冬型の気圧配置になっているとき
    よく晴れた時の昼間
  • 他の雲から発生
    高積雲、層積雲
  • 他の雲から変化
    層雲、層積雲
  • にわか雨などの降水がある
  • 夏によく見かけるが冬型の気圧配置の時にも発生
  • 上空に寒気が入ると上へ成長し入道雲(雄大積雲)になる

層積雲(そうせきうん)

層積雲
層積雲

下層付近に出現する平らな雲
別名:うね雲、くもり雲

  • 発生要因
    下層に寒気が流入すると発生しやすい
  • 出現要因
    朝や夕方に発生しやすい
    太平洋側で北東風が吹いているとき
  • 他の雲から発生
    高層雲、乱層雲、積雲、積乱雲
  • 他の雲から変化
    高積雲、乱層雲、層雲
  • 降水はあまりないが雲の厚みが増すと弱い雨を降らせる
  • 畑のうねのように波打つことがある
  • 雲海は積雲が上昇し上空の安定層に当たり横に広がるため積雲と層積雲が混ざっている

積乱雲(せきらんうん)

積乱雲

下層から上層まで発達する背の高い雲
別名:雷雲

  • 発生要因
    積雲の高さが上へ発達し、雄大積雲(入道雲)を経て積乱雲になる
    下層が暖湿、中上層が低温で乾燥していれば発達しやすい
  • 出現条件
    大気の状態が不安定なとき
    台風が接近しているとき
    寒冷前線が通過するとき
  • 他の雲から発生
    高積雲、高層雲、乱層雲、層積雲、積雲
  • 他の雲から変化
    積雲
  • 非常に強い上昇流により激しい雨、落雷、突風、ひょう、竜巻などを伴う
  • 雲頂高度は夏季で最大16km(対流圏界面)に達し、雲頂部には「かなとこ雲」が構成される

雲ができる理由

雲がない空を「日本晴れ」と言いますが空を見上げるとだいたい雲はありますね

ここでは「なぜ雲ができるのか」をお話しします

水の状態変化
水の状態変化

雲は水と氷でできており、温度によって形を変えます

私たちの目の前にある空気にも水蒸気として存在していますが、冷やされると水滴になります。視覚的に見ると氷の入ったコップの外側や窓の結露、または霧などです。それが雲として空に浮かんでいます

上空は気温が低いので空気の塊が持ち上げられると冷えるため水蒸気は水滴になります。さらに上昇し上層に進むと気温はマイナス40度くらいの低温になり水滴は氷(氷晶)になります

ではどうやって地上付近の空気の塊は上昇するのでしょうか?

上昇理由は大きく4つあります

上昇流の発生要因
上昇流の発生要因
  1. 山地に風が当たり山の斜面に沿って上昇
  2. 地上付近で風同士がぶつかり(収束)上昇
  3. 前線付近に風が流れ込み持ち上げられ上昇
  4. 太陽光により地表面が温められ軽くなった空気が上昇

主に上記の理由により地表面の水蒸気を含んだ空気が上空に持ち上げられる。そして上空で冷やされ水蒸気は水滴や氷晶に変化し可視化されたことにより雲と認識できるようになる

以上が雲ができる理由になります

逆に高気圧に覆われると下降流になり雲は消散されます

詳しいお話は下記の記事でお話しします⬇︎

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まとめ

いかがだったでしょうか?

まとめると

雲の種類は100以上あり、大きく分類すると10に分けることができ、それを「十種雲形」と言います

そして雲は上空の気温や風、湿度などの影響によりさまざまな形に変化します

雲は雨となり地面に降り、川から海に流れてまた上昇し雲になります
このように水は循環しながら地球と生命は共存しています

今回の記事で少しでも雲に興味を持ってもらえたらとても嬉しいです

最後まで読んでいただきありがとうございました!