【3分で解説】台風一過とは何か?気象予報士がわかりやすく説明!

こんにちは、気象予報士のえいたつです
今回は「台風一過」についてお話しします
ときどき耳にしますが台風一過って何だろう?って思いますよね
わたしも教えられていないので勉強するまでよく知りませんでした
台風一過とは「台風が過ぎ去った後に空が晴れて良い天気になること」です
ではなぜ台風が過ぎた後は晴れるのか?、過ぎた後に起こる事など順番にわかりやすくお話しします
「台風一過」という言葉
「タイフウイッカ」と耳で聞くと「一過」に聞き馴染みがなく「台風一家」と勘違いして覚えている人が多いようです、「一過」の意味は「通り過ぎる」、「一回通過する事」です
では「台風一過」と「台風の通過」は同じ意味なの?と疑問を持ちますが、少し違います
| 台風一過 | 台風の通過 |
| 台風が通過し 空が晴れる事 | 台風が通過する事 |
台風の通過だけではなく、「台風一過」には晴れる(天気が回復する)という意味もあります
四字熟語
台風一過とは四字熟語であり、大きく分けて天気と比喩表現の2種類の意味があります
- 天気
台風が通り過ぎたあと、空が晴れて良い天気になること - 比喩表現
騒動が終わって平和になった様子(「嵐が来る前の静けさ」の反対)
どちらも「荒れた状態から平穏になる」という抽象的な事柄は同じです
台風一過の類語
似た意味の四字熟語としては「雨過天晴(うかてんせい)」があります
また慣用句では「雨降って地固まる」などがあります
細かい違いはありますが概ね似た意味の言葉です
台風通過後に晴れる理由
台風から高気圧に変わる
台風の通過した場所は高気圧に覆われるため天気が良くなります
どうして高気圧に覆われると晴れるのか?
それは低気圧が上昇流に対して、高気圧は下降流であるためです。
詳しくはこちらの記事でご紹介します⬇︎
低気圧と高気圧の定義
| 低気圧 | 高気圧 |
| 周囲よりも気圧が低く、閉じた等圧線で囲まれたところ | 周囲よりも気圧が高く、閉じた等圧線で囲まれたところ |
※地上の場合
気圧の単位はhPa(ヘクトパスカル)で表されますが「◯◯◯hPaなので低気圧」ということではありません。周囲に比べて気圧が低い場合を低圧部(閉じた等圧線なら低気圧)、周囲に比べて気圧が高い場合を高圧部(閉じた等圧線なら高気圧)
地上の平均気圧(1気圧)は約1013hPaです。
もし「1020hPaの場所があれば高気圧」と思いますが、その周囲が1030hPaの領域なら1020hPaは相対的に気圧が低く、低圧部(低気圧)になります
過去の天気図を見てみましょう

出典:気象庁(https://www.jma.go.jp/jma/menu/menureport.html)
色加筆:筆者
大陸に気圧の谷(気圧の低い帯状のライン)があり、その先に気圧の低い「低圧部」があります、中心はまだはっきりしていません

出典:気象庁(https://www.jma.go.jp/jma/menu/menureport.html)
色加筆:筆者
最初の画像の3時間後、低圧部付近に閉じた等圧線(破線は等圧補助線)が書かれ中心に低気圧の表記があります、低気圧が発生したということになります
そして先ほどお話しした通り、南北の高気圧に挟まれているために中心気圧は1018hPaと高くなっていますが低気圧です
そもそも台風とは
台風とは勢力の強い低気圧のことですが、厳密に定義されています

低気圧は状況に応じて呼び名が変わります
中心付近の最大風速が17.2m/sを超えると熱帯低気圧から台風になり、第◯号と呼ばれるようになります。また台風の勢力が弱くなると熱帯低気圧に戻ります
しかし台風、熱帯低気圧のどちらにしても前線を伴うようになれば温帯低気圧になります

出典:気象庁(https://www.jma.go.jp/jma/menu/menureport.html)
色加筆:筆者
北にある停滞前線に北上する台風が衝突し、台風の中心に北から寒気が流れ込み台風の構造を維持できなくなり温帯低気圧に変わる
温帯低気圧一過!?
わたしの推測ではありますが、台風より勢力が弱いだけの熱帯低気圧なら「熱帯低気圧一過」という事もありえると思います
しかし前線を伴う温帯低気圧なら「通過後に必ず晴れる」と言えず「温帯低気圧一過」とは呼べません。温帯低気圧の後ろには寒冷前線が位置していることが多く天気は不安定です
実際の天気
2024年8月12日〜13日の実際の天気を見てみましょう

出典:気象庁(https://www.jma.go.jp/jma/menu/menureport.html)
色加筆:筆者
この時は珍しく台風が岩手県に上陸しました
この時わたしは自転車で旅をしており南の宮城県にいました

台風が上陸した当日の朝は雨/曇りの天気でした

出典:気象庁(https://www.jma.go.jp/jma/menu/menureport.html)
色加筆:筆者
上記のデータは当時の岩手県宮古市の観測値になります
朝の9時は台風直撃だったので地上気圧も低く、雨は強くないですが風が9m/s以上と強い状態でした
そして次の日の朝

出典:気象庁(https://www.jma.go.jp/jma/menu/menureport.html)
色加筆:筆者
13日の朝には台風は東北を西に通過し勢力は弱まり熱帯低気圧に変わっていました

わたしは福島県に移動(南へ55km)していたので少し距離が違いますが、台風一過の天気は晴れています
気象庁の説明では「北日本は曇りや雨」とありますが、おそらく低気圧中心付近の東北の日本海側のことではないかと思います

出典:気象庁(https://www.jma.go.jp/jma/menu/menureport.html)
色加筆:筆者
13日朝9時、台風(熱帯低気圧)は津軽半島の西に位置しています
台風一過の状態になった岩手県宮古市は「晴れ」が観測されています
台風一過のあとに起こる事
「台風通過後は晴れやすい」ということをお話ししてきました
その他にも起こりそうなことをご紹介します
- 空気がキレイ
雨が降って空気中のチリやホコリが落ち、地面が濡れてホコリが立ちにくくなっているため空気がキレイになる - 河川の増水
夏場に晴れて気分が良くなって川に泳ぎに行きたくなるかもしれませんが、山は水をたっぷり含んだ状態です。通常より河川の水位は高くなっている可能性がありますので、水辺にはなるべく近づかないようにしましょう - 虹が見える
雨上がりなどに太陽が出ると虹が見えるかもしれません。太陽を背にして台風の去った方を見てみましょう
虹についてはこちらの記事でご紹介します⬇︎
まとめ
いかがだったでしょうか?
ここまで「台風一過」について周辺情報も含めてお話ししました
納得してスッキリしていただけたら嬉しいです
台風が接近、通過して荒れた天気だったのが一夜明け、空が晴れ渡っていて昨日とは全然違う空だったら別世界のような気がして気分も良くなりそうですね
ですが台風は非常に危険で雨、風、波、雷、などによりたくさんの災害が起こる可能性があり「台風は災害のデパート」と呼ばれることもあります
地球温暖化に伴い、台風の発生数は今以上増える可能性がありますので防災について日頃から考えるようにしましょう
台風について悪いことばかりお伝えしましたが、台風を含む低気圧は南の熱を北に運ぶ(熱輸送)重要な役割があります
そして生き物にとって必要な水をたくさん運んで空から降らせる役割もあります
自然災害を予測し防災に繋げられるように気象庁のキキクルやハザードマップを今一度確認し生活に取り組んでいただけたら最悪な事態を回避できる可能性が高まると思います
わたしも防災について日頃から考えるようにしています
自治体によっては災害などに活用できるアプリがありますのでご活用ください
最後まで読んでいただきありがとうございました!






